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君の名は。




君の名は。




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観てきました


今まで観たアニメ映画の中でトップクラスに面白かったです、というかトップですね





  10日目にして興行収入38億を突破





君の名は。』といえば、『ほしのこえ』『秒速5センチメートル』等を手掛けたアニメ映画監督・新海誠の最新作です







これまでの作品は小規模上映ということもあり、アニメーション界隈では有名なものの、世間一般に対してはさほど知名度の無い監督でした


しかし公開前の念を押すかのような宣伝、東宝のお偉いさんにより敢行された大規模上映、口コミやパブリシティにより広まった話題により、いざ公開その日が訪れてみると空前の大ヒット


新海監督は一躍時の人となりました


興行収入はなんと公開10日目にして38億を記録したそうです
ちなみに東宝が目標として設定した興収が60億



この2つの数字がどのくらいかといいますと


アニメ界に旋風を巻き起こした『魔法少女まどか☆マギカ』の劇場版が20億
まさかのそれを超える右肩上がりで周囲を驚かせた『ガールズ&パンツァー』の劇場版が22億
固定ファンからの根強い人気と特典商法によって記録を伸ばした『ラブライブ!』の劇場版が28億


この辺りの人気深夜アニメ映画が"何か月も上映して"やっとこの数字
君の名は。』の興収はこれらを10日もしない内に超えたことになります



このペースで進むとおそらく目標の60億にも届くので


社会現象と言われるまでに話題を呼んだ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』が52億
サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』の細田守最新作として期待された『バケモノの子』が58億


この辺りの話題作も抜くことになりますね



となると60億超えの大台に乗るわけですが、この60~100億帯には


今や日本の看板漫画と称されるワンピースの劇場版『ONE PIECE FILM Z』(68億)
同じく一大コンテンツとして君臨するポケモンの初代映画『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』(76億)
スタジオジブリの『猫の恩返し』(64億)『借りぐらしのアリエッティ』(76億)『ゲド戦記』(92億)
ウォルト・ディズニーの『ズートピア』(70億)『ベイマックス』(91億)『モンスターズインク』(93億)


等々アニメ映画界の中でも錚々たるメンツが勢揃い



おそらく『君の名は。』もここに並ぶと思われます
(さらなる拡大上映が決定されれば100億も?)



これはアニメ映画界において大きな意味を持つことなのです


ラインナップを見て分かる通り、これまでこの興収帯に名を連ねることができたのは「ファミリー向けアニメ映画」のみ

君の名は。』のように明確に若者に向けて作られ、中高生が自ら興味を持ちチケットを買って映画館に赴くような「ジュブナイルアニメ映画」が入るのは異例のこととなります
(もちろん実際は既存の新海ファンの力も大きいでしょうが)


今までのアニメ界に漂っていた「アニメ映画はファミリー向け以外じゃ売れない」という固定観念に、風穴が空いたかのような衝撃が走ったことでしょう




しかしこうして見てみると、実写映画では当然のように扱われているジュブナイルは、アニメ映画という括りで見てみると実はほとんど売り出されていなかったわけですね

それっぽいものでは『時をかける少女』がありましたが、あれは筒井康隆原作という硬派な後ろ盾がありましたから


今まで「売れないから」と放置されてきた若者向け青春ジュブナイルアニメ映画というジャンルの需要に、『君の名は。』がすっぽり収まったといったところでしょうか



昨今はいわゆるオタク向けのスマホゲーのCMが平然とゴールデンタイムに挟まれていたり、スマホの普及によってサブカルコンテンツが一般の目に晒される機会が増えたり、エヴァ等がTVでも大々的に宣伝されたりしたことで、アニメに対する世間の目が変わってきたというのも間違いなくあるでしょう

とくに若い世代はもうアニメ絵に対する抵抗はほとんどなさそうですね








  過去作を踏襲した上でのステップアップ









過去の新海作品を一つでも観たことのある人なら誰しもが感じたと思います


なんだこのキャラデザ? RADWIMPS? メインの二人は明るいし、コメディは多いし、なんだか……

今までの新海作品とは違うなあ」と



新海誠と言えば、恋心のようなものを抱いているが結ばれてはいない男女の絶妙な距離感を壮麗な美術とポエミーな脚本でお届けする……といった作品ばかりでした

しかし今作では打って変わって、豪快におっぱいを揉むわ明確に告白はするわ……


今までの新海作品ではありえなかったことをふんだんに盛り込んできましたね



これについて新海監督自身も、意識的にこれまでより幅広い層をターゲットに見据えたと話しています



しかし何もこれまでのファンを切り捨てたわけではありません

そういった新規ファンの獲得を狙う一方で、『君の名は。』には過去の新海作品の経験やモチーフが活かされており、既存のファンにも嬉しいつくりになっています


ほしのこえ』で描かれた男女を引き裂く時間と距離の乖離
雲のむこう、約束の場所』で描かれたで繋がる男女
星を追うこども』で描かれた死んでしまった想い人を追い求める主人公、そして本作における御神木周辺のようなファンタジー世界
彗星の登場やラストは明らかに『秒速5センチメートル』を意識したつくりになっているし、『言の葉の庭』にいたってはメインヒロインである雪野先生が本作にそのまま登場しています
なんなら男三人が建築業界志望だったのは新海誠が手掛けた大成建設のCMを元にしたのかともとれます


そしてなにより、これも新海誠作品のひとつ、『クロスロード





たった2分間のZ会のCMなのですが、『君の名は。』にもっとも近い作品はこれでしょう

君の名は。』の内容を簡潔に表すならば、「まだ見ぬ男女の出会いの壮大な前日譚」なわけで、まさに『クロスロード』まんまの内容となっています


キャラデザを担当した田中将賀もおそらく『クロスロード』で一緒に仕事をしたからこそ引っ張ってこれたんでしょうね




このように、一見一般にまるきり迎合したかのように見える本作ですが、過去作を見てきた人たちならきちんと分かるような設計にされているのです


新海作品には未だ一本筋が通っているのだ







  新海誠のこれから






さて、新海監督は今後どういう作品を作ってゆくつもりなんでしょうか



センチメンタルな作風だし、ただ筆の向くままに制作していくんじゃないの? と思う人もいるかもしれませんが、それは違います



彼女と彼女の猫』で初の個人製作を成し遂げ
ほしのこえ』でカラー中尺の物語を作り
雲のむこう、約束の場所』ではさらに複雑な人物構成で長編を制作
秒速5センチメートル』ではスケジュール等制作体制に重きを置いて、より完成度の高い作品を目指し
星を追うこども』ではそれまでよりターゲット層の拡大を試み
言の葉の庭』では『秒速』以前に立ち返り、その作風をよりアップデートする形で制作を進めました

(ここで言うアップデートというのは、実在するものをパロディしたメーカー等を画面内に登場させるという近年のアニメーション手法にマンネリを感じた新海監督が、思い切って許可をとり協力を漕ぎつけて、実在するメーカーそのままをアニメ内に描くことによってさらなるリアリティを演出したことを指しています)


つまり新海監督は、一作毎に前作の反省点を修正することによって着実なステップアップを図ってきたのです



彼は人柄こそ温厚で作風もポエミーですが、どこかに達観した自然主義、あるいは現実主義を抱えているのではないかと思えてなりません

そうでもないと、このように一作毎にステップアップを計算し積み重ねることはできませんし、一般受けを狙って方針を大きく転換することもできないはずです


最たる例としては、『星を追うこども』で否定した死者の復活を『君の名は。』で思いっきりやってしまっていることです
この時点で監督はなにか一つの思想をメッセージとして作品に込めたりするタイプではありません

ただひたすら面白い作品を視聴者に届けることを第一としているのでしょう




だからこそ、これから先『君の名は。』以上の作品を作ることができるのか心配です


過去作の経験、クロスオーバー+可能な限りのターゲット層のシフト+アニメ界でも稀に見る最高峰のスタッフ+かなりの広告費……

持てる力を出し尽くした集大成のような完成度の高い作品を制作した後、これまでと同じような心境で次回作を作れるとは思えません


秒速』で結ばれなかった二人、『言の葉の庭』で通じ合いながらも離れ離れになった二人が、ようやく『君の名は。』でハッピーエンドを迎え、新海監督がこれまで扱ってきた物語にひとつの終止符を打ったようにもとれます


今後は過去作の再利用はマンネリ化しますし
しかし今作のような作風を推し進めさらに一般向けに傾倒してしまうと、昔ながらのファンは静かに離れていくかもしれません
広告費はむしろこれまでより出してもらえそうですが、今回のようなスタッフが再び揃うとも限りません


不安要素を数えればきりがないのです



しかし一方で、『君の名は。』で新海監督の武器が明確化されたのも事実


本来は抒情的な作風を得意とするが、その気になればいつでも別の方向に舵を切ることができる計算高さ、そしてそれでもなお面白い作品を作ることのできる実力、そして何より他の大御所アニメ監督にはないテーマ性


これらが組み合わさって新海誠作品は作りだされています



まだ見ぬ男女の出会いの壮大な前日譚

こんな気恥ずかしくもロマンティックなことを、宮崎駿がテーマに据えるでしょうか? 庵野が? 押井が? 

まずやらないでしょうし、やれないでしょう



さらに、これまで映像作品として評価されることが多かったが、ついにれっきとした長編映画として評価を受けることができたというのは、彼にとって大きな自信に繋がるに違いありません




今後新海監督にのしかかる期待は壮絶なものだと思われます


しかしこういった自分の武器を信じて、アニメ映画界において新たなポジションを築き上げる気鋭として邁進してほしいものです





最後に……


君の名は。』を他のキャラクターの視点から描いたスピンオフがとてもよく補完できていて、本編に勝るとも劣らぬ出来だったので是非おすすめしておきます



君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫)
加納 新太
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  1. 2016/09/02(金) 06:11:01|
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